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新ナニワ金融道

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概要

青木雄二作の漫画で、1990年からモーニングに連載され、全19巻のコミックのほか、1999年からは文庫版が出版された。1992年講談社漫画賞、1998年手塚治虫文化賞マンガ優秀賞受賞作品。最初は5週程度掲載される予定であったが、第1回目の掲載時に読者から多大な支持を得て連載が決定した。
2007年から続編の「新ナニワ金融道」がスタートしている。

商人の町大阪を舞台に、マチ金(消費者金融)会社「帝國金融」の営業マン灰原達之と、借金にまつわる因業深い人間模様を描いた作品。連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、ご祝儀を盗まれてしまい穴埋めに奔走したあげく取り込み詐欺に手を出し破滅する男、詐欺的先物取引で全てを失う小学校教頭、法律の網の目をかいくぐる闇金融業者、更にはライバル企業との対決など、様々な人間の裏表や社会の不条理を描く。青木雄二の独特なアクのある絵が読者に強いインパクトを与え、人気作

主要登場人物

灰原達之(はいばら たつゆき)

勤めていた会社が倒産し、再就職先として金融業を志すが、過去に前の職場の社長の頼みで金融会社から借り入れしていた経験があったため、「まともな金融屋」には採用されなかった。しかし「これを最後の賭け」として面接に行った「株式会社帝國金融」で、追い込み(貸した金の取り立て)に遭遇し、成り行きから見学を兼ねて現場に同行することになる。そこで金を借りてしまった者の末路を見つつも、「これほど本音で仕事する業種は他にない」と金融業を自分の天職に決め、大阪一の金融屋を目指す。初めは金融業にしては甘いところが見られたが、様々な葛藤や裏切りを経験し、図太い精神を身に付けていき、割り切るようになっていった。しかし、所々に残る「甘さ」も彼の持ち味となっている。尚、作中にて関西弁を用いず、標準語で会話する唯一のキャラクターである。

桑田澄男(くわた すみお)

入社したての灰原の教育係を勤めた先輩のベテラン金融マン。作品中盤では灰原とよくコンビを組んでいた。出っ歯でパンチパーマに粗野な大阪弁、荒っぽい態度と見た目はヤクザそのもの。灰原たち後輩への面倒見がよく、時にはひょうきんな所も見せる。しかし借金の回収のためには非情な事でも抵抗なくこなし、証拠が残らないような公文書偽造教唆をしたり、保証人の女性をソープに売ったりする。相手が後輩でも容赦せず、灰原が失敗して詐欺に遭った時は、灰原にも責任を負わせるべく約束手形に裏書したりした。元ソープ嬢(騙されて恋人の借金を背負わされた為)の交際相手がいる。ドラマ版での口癖は“最高裁判所の裁判長かて「そら払わなアカン!」ていいまっせ”。
元木(もとき)
    帝國金融社員。坊主頭でこれまたヤクザのような外見である。するどい観察眼を持っている。家族は妻と息子が一人。

高山(たかやま)

帝国金融のナンバー2。社員を直接仕切る管理職で、面倒見は良いが、よく怒鳴る。桑田と同じくパンチパーマで、常に三白眼と、こちらもヤクザのようである。ちなみに同作者監修の『カバチタレ!』で背景にひょっこり描かれており、そこでは広島支店の支店長になっている。
吉村定雄(よしむら さだお)
    途中入社してきた新人だが、年齢は灰原より上。司法書士を目指しており、以前勤務していた法務事務所の倒産に伴い入社した。登場当初は怒鳴りつけられて落ち込むなど気の弱さが目立ったが、徐々に自分の役目を果たせるようになった。大人しく几帳面。後に法的書類の作成等で活躍。所帯持ちで、妻と2人の子がいる(作品には未登場)。当初、受験勉強のため週3回のパートタイマー勤務として入社したが、後半はほぼ毎回登場し欠勤の様子が見られないことや、司法書士試験に関する言及も無いことから、なしくずし的にフルタイムの正社員になったのではという説もある。

金畑金三(かねはた かねぞう)

帝國金融の社長。海千山千の大ベテランで、広い人脈を持つ。性格は温厚だが、決して情に流されず常に社員をコントロールしている。よほどの大事でないと直接事態を解決するために登場しない。その中で数少ない出番ながらも作中では全ての問題を如才なく解決し、人脈も豊富、強いカリスマ性を印象付けている。ドラマ版では金子高利と言う名前になっている。
市村朱美(いちむら あけみ)
    灰原の恋人。ヤクザの元恋人で全身に刺青を入れている。帝国金融のビルに入った広告代理店に勤めており、ひょんなことからそこでバイトをすることになった灰原と知り合い、お互いに惹かれていき、付き合い始めた。しっかり者で灰原をサポートする。銭田との対決の際に灰原がヤクザと揉めた時、拉致されるが、ヤクザ3人と渡り合い自力で脱出した豪胆さの持ち主。新ナニワ金融道では子供とサッカーに興じるなど子供好きでもあるようだ。ドラマ版では1回限りの登場で普通のOLという設定になっている。

泥沼亀之助(どろぬま かめのすけ)

灰原の顧客。恩のある先輩の結婚式で祝儀詐欺の被害に遭い、帝國に融資を申し込んだ。帝國からの借金はクレジットカードを使い完済するも、借金は自転車操業式に増え、行き詰る。その結果思いつきで始めた取り込み詐欺により、警察に逮捕される。後に、たまたま朱美にからんできたチンピラとの喧嘩で拘置所に留置されることになった灰原に罪をなすりつけようとしたが、結局は失敗に終わり、自分で自分の首を絞める結果になった。『カバチタレ!』には彼の遠縁らしき人物も登場する。ドラマ版では全ての話に登場し、「いい金儲けのアイディアを思いついた」と言ってはしつこく付きまとい灰原に煙たがられている。

肉欲棒太郎(にくよく ぼうたろう)

灰原の顧客でプロの地上げ屋。地上げと平行して『肉欲企画』という会社を経営しており、風俗ビルを建設し、入居費を得て地上げの足がかりにしようと計画していた。しかしビルの完成を間近にしながら、ビル建設反対団体に灰原が入れ知恵をしたことにより、風俗ビルとする計画は頓挫し、莫大な借金を背負う事になる。その後は神戸に夜逃げし、ヤクザの元でノミ競馬の集金人を仕事にするが、再び這い上がってやるという強い意志をもっていた。後に広島で妻や元社員の川井と共に、激安チケット販売の商売を始める。

三宮損得(さんのみや そんとく)

灰原の顧客で市立鈍才小学校の教頭。地元の名家三宮家の婿養子、旧姓は「御影」。かなりの恐妻家。蟻地獄物産を通じて先物取引に嵌り、同社に対して多額の借金を抱える。その後借金のみならず、ありとあらゆるものに手をつけて(愚行して)いくことになる。妻の芽子(めこ)は夫がどうなってもいいという非情な考えの人間で、夫を相手に暴力を振るう事も厭わず(夫の損得や灰原らには本人の見えないところで「鬼ババ」呼ばわりされたほど)、ついには夫を離婚させて無一文で三宮家から追放し、他の男と再婚した。ドラマ版では伊東四朗が演じた。名前の由来は二宮尊徳と思われる。

銭田掏二朗(せんだ ずりじろう)

トイチの闇金融業者。自称「ミナミの銭掏銀行(せんずりぎんこう)」。帝国金融と対決し、一時は優位に立つが、最後は修羅場の末、灰原に辛酸を舐めさせられた。モデルは『ミナミの帝王』の主人公・萬田だと思われる。萬田が弱者の味方で知恵をめぐらせるキャラクターなのに対し、銭田はとことん弱者を食らう短絡的思考な敵役キャラとなっており、明らかに使い方を間違ったような諺を使う。一馬(かずま)という舎弟を常に連れている。ドラマ版にも「ミナミの難波銀行」と呼ばれる闇金融業者・難波銀子(なんば ぎんこ)が登場する(名前の由来はおそらく『ミナミの帝王』の副題である「難波金融伝」だと思われる)。

都沢(みやこざわ)

警察キャリア官僚。階級は警部補。京大法学部出身でアメリカンフットボール部に所属していたこともあり、頭も良く体力抜群である。住専の債権回収部署に行くことになった直属の上司である刑事部長の命によって、回収のノウハウを短期間で会得すべく帝國金融に出向することになる。仕事に対する使命感は強いものの、それはあくまで自分の出世のためであり、全てにおいて自分本位な考え方をする(京大に入りアメフトをやったのも「就職と出世に有利だから」という理由)。そのため帝國金融の者からは良くは思われていない。ある事情で灰原のパートナーとして活躍する。

落振県一(おちぶれ けんいち)

海事代理士。一時は川原に住み、日雇労働と川釣りで糊口をしのぐホームレス生活を送っていた。灰原が船舶登記詐欺にあった際に力を貸し、解決に大きく貢献する。元は大蛇地裁の書記官をしており、順調に勤め上げれば無試験で司法書士になれるところだったが、印紙の横流しがバレて辞職に追い込まれる。その後苦学して海事代理士になり、年金暮らしの母親と暮らしていたものの生活は困窮していた。助平でセコく、金と食いものに意地汚いが、法律の裏をかく事には異常に長けている。その後は受け取った協力費を元に、出身地の広島県呉市で海事代理士の仕事を再開。『カバチタレ!』では栄田の台詞で名前のみ登場。「急ぎの書類」を出していることから経営は上手くいっている様子。モデルは海事代理士編の原作者、田島隆。ドラマでは、いしだあゆみが演じる女性・落振尼子に変更されている。